かぼすをもっと知る
かぼすのルーツ
大分について
湯布院
別府
大分県は、日本の九州地方東部にある県。
温泉の源泉数(4,538ヶ所)、湧出量(291,340L/分)ともに日本一で、別府湾に面する別府温泉、県中央部の由布院温泉は全国的に知られています。さらに地熱発電でも日本一を誇り、栽培、養殖などの産業、食文化や美容と医療に至るまで、豊かな温泉の恵みが幅広く活かされていることから、県では「日本一のおんせん県おおいた」と称し、PR活動を行っています。
大分かぼすについて
かぼすの由来
かぼすは、大分県の特産果樹で、古くから竹田や臼杵地方の民家の庭先に薬用として植栽されていました。臼杵市乙見地区に残る言い伝えによると、江戸時代に宗玄という医師が京都から持ち帰った苗木を植えたのがはじまりとされています。
「かぼす」の記述が文献等に初めて登場するのは戦後しばらくたってからの、昭和中期です。しかし、臼杵市内には樹齢300年といわれる古木が存在しており、現在も樹齢200年前後の古木が数本点在しています。他県にはこのような古いかぼすの樹は見られないことから大分県が原産と思われます。
生産の歩み
- ●昭和40年代になってから県が積極的に奨励したことが、栽培面積増大の大きな要因となっています。生産量の増加に伴い、このころより県外へも出荷が始まりました。昭和43年ごろより、農協共販が開始されています。
- ●昭和47年には、県と農業団体・市町村・生産者による「大分県カボス振興協議会」が設立され、力を合わせた消費拡大活動が始まりました。
- ●昭和48年には、出荷の前進化のために臼杵市で試験的にハウス栽培が行われ、竹田市ではかぼす加工の開発・販売が開始されました。
- ●昭和50年代に「一村一品運動」が県下各地で興り、かぼすはその旗手としての役割を果たすようになっていきました。
- ●昭和57年ごろには関東・関西地区への出荷が本格的になり、特産品として次第に全国へ知られるようになりました。
- ●昭和50年代後半から、産地の貯蔵・選果・ハウスなどの施設や、種無し・晩生品種の導入等で生産ならびに出荷の体制が整いました。
- ●昭和60年代に入ると、樹も成木となり出荷量は大きく伸びました。
- ●平成2年には、消費動向の変化に積極的に対応するため、貯蔵出荷が本格化し、秋冬料理へと用途は拡大し、翌春のハウス栽培までつなげる周年出荷が確立されました。出荷形態では、量販店での取り扱いに応えるために4キロ箱から2キロ箱へと変わり、最近ではパック包装による出荷も増大しています。
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かぼすの生産
大分県はかぼす生産量全国1位で、全国で99%(H30)の生産量を大分県が占めています。かぼすは県下全域で栽培されており、主な産地は臼杵市、竹田市、豊後大野市、国東市、豊後高田市です。
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かぼす生産が
盛んな地域各地域の画像をクリックするとそれぞれの観光協会のページにジャンプします
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出回り時期
かぼすの旬の時期は8月から10月にかけて。果汁の質・量とも最高で、最も風味豊かな時期です。
3月中旬から8月はじめはハウスものが出まわり、8月から露地ものの出荷が始まり、10月以降は露地ものを貯蔵して年間通してかぼすを出荷しています。 -
なぜ貯蔵するのか?
収穫されたかぼすは、放置しておくと果皮などから水分が発散するため、鮮度が落ち、最終的にはしなびてしまいます。
それと同時に、果皮の色が緑から黄色に変わってしまいます。そのため、左記の方法で貯蔵し、翌年の2月ぐらいまで鮮やかな緑色の果皮と香りを保ったかぼすの出荷を行います。 -
旬入り宣言式
毎年、露地の大分かぼすの出荷が始まる時期に、かぼすの旬に入ったことを「旬入り宣言」として広くPRしています。
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大分かぼすのGI登録
登録番号「第33号」
「大分かぼす」は平成29年5月26日に地理的表示(GI)保護制度に登録されました。
地理的表示(GI)保護制度
地域で長年培われた特別な生産方法や気候・風土・土壌などの生産地の特性により、高い品質と評価を獲得している産品について、その名称を知的財産として登録・保護する制度です。
GI登録「大分かぼす」の特徴
- 江戸時代に苗木を大分県臼杵市で栽植したのがはじまりとされており、昭和40年代頃に産地化され、本格的に販売されたものです。
- 統一された品質基準に沿って選果された、緑色の時期のかぼす青果です。
- 周年出荷・販売を行っています。
かぼすの系統
それぞれの画像をクリックしたら特徴を見ることができます。
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〔通常品種〕 かぼす大分1号
昭和48年、県下に各種あった系統の中から、果実品質や栽培面で優れた系統を選抜し、広く普及させた。現在、県下のカボスの85%が本品種である。
果実の大きさは、8月~9月の出荷期には80~100gで収穫する。果経は編球形で果頂部はわずかに突出している。果汁成分はクエン酸5.7%、糖8%程度が含まれる。 -
〔通常品種〕 豊ミドリ
昭和46年、豊後大野市緒方町で芽状変異(枝変わり)として発見された。
果実の大きさは「大分1号」と同程度であるが、果経はやや扁平である。本品種の最大の特徴は、果実の緑色が他の品種に比べて著しいことである。さらに、果汁中のクエン酸、糖ともに他の品種より高く、果実の耐低温性も強いことから、貯蔵用品に向いている。県下カボスの約12%の率を占めている。 -
〔種の少ない品種〕 香美の川
昭和55年、津久見市で発見された。
果実の大きさは75g前後で、「大分1号」に比べるとやや小さい。果経は球形で、外観は「大分1号」によく似ている。
本品種の特徴は、種子が極めて少ないことである。また、果皮は薄く果汁量が多く、香りはフルーテイ。希少品種である。 -
〔種の少ない品種〕 祖母の香
昭和49年、豊後大野市緒方町で芽状変異(枝変わり)として発見された。名称は、宮崎県境にある「祖母山」に由来している。
果実の大きさは70g程度でやや小さい。外観の特徴は、果頂部に凹環があり、果実に縦の放射状のすじが入っている。果汁内容は「大分1号」とほとんど変わらないが、種子が極めて少ないことは「香美の川」と同様である。希少品種である。
かぼすの裏技
お肌すべすべかぼす風呂
ビタミンCを含むかぼすは天然の美容剤。
料理で使ったあとのかぼすをお風呂に浮かべてみるのはいかが?
かぼすの果皮に含まれる香りのエッセンスの働きで、お肌もつやつやになります
生産者の声
かぼすは大分の星
かぼすはなんと言っても大分を代表する品目。全国、世界で輝ける素質があると思います。
臼杵市藤原 輝幸 さん57歳(2022.01.01現在)
経営状況
かぼす3ha(ハウス0.3ha、露地2.7ha)、白ねぎ30a
米20a、家族経営(夫婦2人)
大人になって気付いた
かぼすの深み
昔からかぼすは食卓にあったけど、大人になってその味のポテンシャルの高さに気づいて、年々かぼすの深みにはまっているのがわかる。
こんな柑橘は他にないから、みんなにもこの味の深みを感じて欲しいなと思って。
竹田市渡邉 陽介さん(30代)
かおりさん(30代)
経営状況
かぼす66a(ハウス26a、露地40a)、乾ししいたけ3~5万駒、水稲70a、家族経営(夫婦2人+臨時雇用2人)
かぼすを日本だけでなく、
世界へ!
かぼすって大分県で殆ど作られてて、観光資源では世界でも有名な温泉があって、しかも地域に根付いてて、ここまで特徴のある農産物って他にないと思う。
世界でも受けると思うし、かぼすの使い方とか商品を海外で流行らせて逆輸入とかできると思っている。
それくらいかぼすにはポテンシャルがあると思う。
国東市株式会社ハマノ果香園 代表取締役
濱野 光展さん(45歳)
経営状況
かぼす22ha 青果、加工用、搾汁用にかぼすを栽培
自社に搾汁工場があり果汁を製造
いつからかぼすを作っていますか?
30歳からかぼすを作っている。今のかぼすの園地の半分は親父から引き継いで、新植、改植を経て今の規模になった。
栽培で特に心がけていることは?
特に気をつけていることは、かぼすの鮮やかな緑色を出すために、かぼすの周囲にある葉っぱや枝を取って、かぼすに日光をまんべんなく当てる作業かな。
この一手間で本当にきれいな緑色がでるんじゃよ。
かぼすの良さは何ですか?
ここの土地とかぼすの相性がいいところやな。風土に合ってて作りやすい。あと、手をかけただけかぼすが応えてくれる。品質のいいものになるところが面白いな。
栽培する上で大変なことや苦労するところは?
最近夏が暑いじゃろ?かぼすの収穫時期が8月~10月で一番暑い時期だから、年々体に堪えるわい。
あと隔年結果(年によって果実のなり方が増減すること)の読みかな。隔年結果しないように樹に負担をかけないように管理しているが、天候もあり完全には読めない。
生産者として消費者に伝えたいこと
かぼすは食べてみたら必ずその良さがわかる。色んなものに搾って、かけて食べてみてほしい。たくさん食べて、かぼすが無いときに、もの寂しさを感じる「かぼすロス」を体験してほしい。
好きなかぼすの使い方、料理
天ぷら(特に椎茸)、もずく(夏にぴったり)、味噌汁、からあげ(大分県では王道)
好きな芸能人
吉幾三
趣味
ソフトボール、晩酌